『温泉ソムリエ』という資格のメリットを調べると、「温泉の知識が身につく」「仕事に活かせる」「肩書きができる」という話がよく出てきます。
間違いではないのですが、それだけじゃないと思っています。
この記事では、実際に取得した立場から「取って良かった」と感じたことを10個、書きます。仕事活用の話より、「温泉好きとして日常がどう変わるか」みたいな話を中心に書くつもりです。
- 温泉ソムリエを取って実際に変わったこと10選
- 「仕事以外」での温泉の楽しみ方への影響
- 正直なところ「これはメリットじゃなかった」話
温泉の楽しみ方が変わるメリット
① 成分表の「大事なところ」が読めるようになる
温泉施設に行くと、浴場の入口あたりに「温泉分析書」が貼ってあることが多いです。あの細かい表が、受講後から少し読めるようになります。
これが、最も大きいですかね。(これから言う他のメリットにも影響するから)
ただ、誤解のないように正直に言っておきたいのですが、「全部を細かく分析できるようになる」わけではありません。温泉ソムリエで学ぶのは分析書の重要な部分を読み解く方法です。いわば、楽しみ方です。
「この温泉はどういう性質か」「泉質名はどう決まるか」という本質的な読み方を学ぶ内容で、成分を一から詳細に分析できるようになるには、上位のステップアップセミナー(温泉分析書マスターなど)や他の資格などがおそらく必要になります。
それでも、「成分表を見ても全然わからない」状態だったのに「大事なところがわかる」状態になるのは、温泉旅行での体験がかなり変わりますよ。
② 「この温泉は自分に合うか」が判断できるようになる
温泉には「適応症」という考え方があります。温泉の成分・泉質によって、どういう状態・症状の方に向いているかが分類されているような感じです。
受講後は、たとえば「この温泉は炭酸水素塩泉だから、適応症は〇〇だな。〇〇に効く温泉だな」「pH値が〇〇以上ということは、美肌の湯だ」みたいな読み方ができます。
旅行先の宿で温泉分析書を見て、「今回の温泉はこういう特徴があるんだ」とわかる感覚は、知る前とは確実に違います。
講義の中でも触れられているのですが、知識があることで『プラシーボ効果』が働きやすくなるという側面もあります。「この温泉は美肌に向いている」と知った上で入るのと、何も知らずに入るのでは、同じ温泉でも体感が変わる。知識は実感の質を上げてくれます。
③ 正しい入浴法がわかる・温泉の「強さ」で入り方が変わる
温泉ソムリエで学ぶのは成分だけではなく、「正しい入浴法」も大きな柱のひとつです。
受講してまず1つわかったのは、温泉には「やさしい温泉」と「刺激の強い温泉」があるということです。やさしい温泉であれば長湯してもそこまで体に負担がかかりませんが、刺激の強い温泉は長湯すると体に負担になるケースがあります。
「なんとなく気持ちいいから長く入る」ではなく、「この温泉はこういう性質だから、今日はこのくらいにしておこう」「短い時間に分けて、複数回入ろう」という判断ができる。これは温泉好きにとって、かなり実用的な知識だと思います。
④ 温泉旅行に行きたくなる!
受講を終えた後、温泉旅行にものすごく行きたくなります。それが、僕が真っ先に浮かんだ感想でした。
「成分表を読んでみたい温泉が、日本中にある」という感覚が生まれて、旅行の動機が少し変わった気もしています。観光地としての温泉ではなく、「あの泉質を確かめに行きたい」という目的が増える。旅先の選び方から変わっていく感じがあります。
家元の講師の方は、温泉に対して非常にポジティブな考え方をお持ちの方なので、余計にいろいろ入ってみたくなりますね。
⑤ 銭湯・スパと温泉の「違い」がわかる
これは自分が若い時からずっと体感として感じていたことでしたが、「銭湯やスパと、本物の温泉は気持ちよさがなんか違う気がする」という感覚がありました。そして、その正体が受講してややわかった気がします。
温泉には成分が溶け込んでいて、それが肌や体に影響しています。「なんか違う」の正体が言語化できると、その感覚自体が面白くなります。銭湯に行ったとしてもも「これは循環式のお湯だな」「ここは温泉を使っているな」という見方もできるようになります。
⑥ 家で使う入浴剤の楽しみ方が変わる
これは、個人的に一番意外だったメリットです。
温泉ソムリエを取得した後、家で使っている入浴剤の裏面を改めて見たんですよね。そうしたら「温泉の成分じゃん」と気づきました。
炭酸水素ナトリウム、硫酸ナトリウム……受講中に名前を見た成分がそのまま書いてある。
もちろん、温泉と比べると成分の濃度はかなり薄いです(ということもよく勉強すると分かります)。
「入浴剤=本物の温泉」ではありません。ただ、「この成分が入っているということは、こういう傾向があるんだな」と知って入るのと、ただ色やにおいで選んで入るのでは、楽しみ方がまったく変わるかなと思います。ここにも「プラシーボ効果」が効きますね。
普段は子どもと一緒に入るのですが、知識があることで、日常のお風呂まで面白くなるのは予想外のメリットでした。
⑦ テキストが温泉旅行の辞書になる
分厚い公式テキスト(458ページ)は取得後も手元に残ります。受講が終わったら役割を終えるものではなく、旅行先で温泉分析書を見て「これってどういう成分だっけ?」と思ったときに引ける辞書としても機能します。
(1冊持っていくのは重くて邪魔な人は、『このページだけコピーすれば良い』みたいなまとめページもご親切に用意してある。)
僕は、病院の待ち時間や、公園とかでもパラパラ読んでいますが、読むたびに新しい発見があります。「あのとき動画で聞いた話はこういうことだったのか」という復讐や再発見もある。テキストとしての密度が高いので、1回読んで終わりではない内容です。
知識・資格としてのメリット
⑧「温泉ソムリエ」という肩書きができる
これはよく言われることですが、メリットかどうかは職種によりますかね。
公式サイトやブログやSNSで温泉について発信するとき、「温泉ソムリエ」という肩書きが使えます。同じ内容を書いても、資格があるかどうかで読まれ方が変わることはあります。
これは、ぼくの単なる予想ですが、温泉施設のスタッフさんで温泉ソムリエを取得している歴代の方は全国的に結構いると思います。
温泉旅館・日帰り温浴施設・観光業・メディアで働く方であれば、対外的な信頼性の根拠になりますし、上記で挙げたメリットのように「うちの温泉の泉質は〇〇だから、〇〇に効く温泉だよ」といったアピールもできますね。資格を持っていることでお客様への説明に自信が持てる、ということだと思います。
しかし、「取っただけで仕事が増える」ことは正直ないかなと思います。民間資格ですし、誰でも取りやすい資格ではあるので。肩書きはあくまで入口であって、その先は自分でどう使うかですね。
⑨ 上位資格へのステップアップができる
温泉ソムリエを取ると、上位のステップアップセミナーへの参加資格が得られます。「温泉分析書マスター」など、専門性をさらに深めたい方向けの講座が用意されています。
まずは温泉ソムリエを取得して、興味に応じてステップアップするという道筋も選べます。「最初から全部やらないといけない」ではなく、自分のペースで広げていける設計になっているかなとも思います。
取得プロセス・コスパのメリット
⑩ 年会費・更新料なし・認定は一生もの
取得後に毎年更新料を払う必要がありません。28,600円を払うのは一度だけで、認定は生涯有効です。「資格を維持するためにお金がかかり続ける」という心配がないのは、コスパの観点では大きいです。
僕も受けたオンライン講座(N-Academy)であれば自宅完結で、受講期間は約半年。忙しい方でも自分のペースで進められますし、一週間ほどあれば取得(認定証申請)は可能です。取得プロセスが実用的である点もメリットのひとつです。
これを期待するとずれるかも
全部良かったと言うだけではあれなので、あらためて注意点というか、「ここはメリットじゃないよ」というのを書いておきます。
先ほどもあげましたが、「取ったからといって仕事がすぐ増えるわけではない」というのは、即効性のある国家資格とは違うので。履歴書に書いたりとかはできると思いますが、温泉ソムリエがあるからといってすぐにどうこうなるというのは期待がはずれてるかなと。
温泉ソムリエという肩書きで仕事につなげている方はいるとは思いますが、それは発信活動や既存の仕事と組み合わせているケースがほとんどです。資格を取るだけでは何も変わらないよ、という点は書いておこうかなと思います。
また、「温泉の本当に詳しい専門家になれる」わけでもないという点も重要です。成分表を端から端まですべて読み解いたり、温泉水を分析したりする専門的なスキルを得るには、上位のステップアップセミナーやもしくは他の資格なおが必要だと思います。
温泉ソムリエはあくまで「温泉を楽しむための入口の資格」と理解しておくのが正確かなと思います。
「すでに温泉の知識にだいぶ詳しい人」や、「温泉分析書を書けるようになりたい」みたいな人にとっては、期待と現実がズレる可能性があるかもしれません。
でもまあとにかく「温泉好き」にとってはめちゃくちゃ楽しくて、有意義な資格であることは間違いないです。
まとめ
メリット10個まとめると、こういうイメージです。
- ① 成分表の重要な部分が読めるようになる
- ② 適応症がわかり「この温泉は自分に合うか」が判断できる
- ③ 正しい入浴法がわかり、温泉の強さで入り方を変えられる
- ④ 温泉旅行に行きたくなる(動機が変わる)
- ⑤ 銭湯・スパと温泉の「違い」が言語化できる
- ⑥ 家の入浴剤の楽しみ方が変わる
- ⑦ テキストが旅行の辞書になる
- ⑧「温泉ソムリエ」という肩書きができる
- ⑨ 上位資格へのステップアップができる
- ⑩ 年会費・更新料なし・一生もの
「温泉をもっと楽しみたい」という気持ちがある方なら、取って後悔することはないと思います。申込から取得の流れは、体験記シリーズにまとめています。
【温泉ソムリエが気になった方へ】
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※本サイトは温泉ソムリエ協会の公式サイトではありません。