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「温泉の泉質って言葉を聞くけど、結局どこに行けばいいの?」
「自分の体調や好みに合う泉質の温泉地を知りたい」
そう思っている方に向けた記事です。
ぼくも温泉ソムリエの勉強を始める前は、温泉といえば「癒される・気持ちいいな」くらいの認識でした。でも、温泉ソムリエの知識を学び始めてみたら、温泉地ごとに個性が違うことが科学的に説明できて、温泉旅の楽しみ方が一気に変わりました。(というか、行きたい場所が増えました。)
そういう意味では、今回の記事は、「僕が訪れたい温泉地リスト」でもあります。
(予算や家族の都合でそうホイホイいけないから…)
この記事では、温泉ソムリエ取得者である私・湯守みなとが、温泉の10泉質それぞれにおすすめの温泉地を、湯守みなと視点で1つずつ紹介していきます。
切り口としては、「その泉質の特徴をよく体感できる代表温泉地」と「湯守みなと的に注目する魅力」の2軸。
さらに後半では、有馬・別府・登別エリアなど「10泉質中7〜8種類を持つ多成分温泉」も対比表で紹介します。温泉好きに向けた一つの整理として、ぜひお役立ていただければ嬉しいです。
(番外編だけど)『迷ったらこの4つの温泉に行くべし!』という結論は最後に載せています!
※なお当サイトは、温泉ソムリエ取得者の個人ブログです。勉強した内容や実体験やリサーチを基に正確な情報を心がけていますが、私の認識がもしかしたら間違っている部分もあるかもしれません。私個人の主観も含まれる点をご承知おきください。また、温泉地に「優劣をつける」というスタンスはとっていません。あくまで「この泉質の代表として私が注目している温泉地」を紹介しています。
- 温泉法10泉質それぞれの特徴とおすすめ温泉地
- 「美肌の湯」「熱の湯」「心臓の湯」など泉質のキャラクター
- 10泉質のうち7〜8種類を持つ「温泉のデパート」級の多成分温泉
- 泉質の組み合わせで見えてくる温泉地の独自性
温泉の10泉質と、本記事の選び方
本題に入る前に、温泉ソムリエ取得者として最初に整理しておきたい大前提があります。それは、2014年に環境省が制定した「療養泉として認められた10泉質」です。ざっくり説明します。
- 単純温泉:溶存物質が特定数値未満の優しい泉質。万人向け
- 塩化物泉:塩化物が主成分。保温・湯冷め防止の「熱の湯」
- 炭酸水素塩泉:重曹成分を含む。クレンジング作用の「美人の湯」
- 硫酸塩泉:硫酸イオンが主成分。「傷の湯」「脳卒中の湯」
- 二酸化炭素泉:炭酸ガスが豊富。「心臓の湯」「泡の湯」。希少
- 含鉄泉:鉄イオンを多く含む。茶褐色のお湯が特徴
- 含よう素泉:2014年制定の比較的新しい分類。希少
- 硫黄泉:硫黄成分が特徴。乳白色・温泉らしいあの香り
- 酸性泉:pH値の低い強酸性。殺菌作用の「皮膚病の湯」
- 放射能泉:ラドン(ラジウム)を含む。「万病の湯」とも。希少
本記事では、この10泉質それぞれについて、湯守みなと的に「この泉質ならまずここを知ってほしい」と思う代表温泉地を1つずつ紹介します。さらに、記事最後に複数の泉質を併せ持つ温泉地(多成分温泉)も、別枠で整理しますのでここもでぜひ見てほしいです。
なお、温泉ソムリエの哲学では「すべての温泉に長所がある」というものがあります。湯守みなと的にも、温泉の優劣をつけるつもりはありません。ここで紹介する温泉地は、あくまで「その泉質の特徴がよく現れている、温泉ソムリエ的に注目したい」という観点で選んだものです。他にも素晴らしい温泉地はたくさんあるので、興味があったらぜひご自身で発見してくださいね。
① 単純温泉のおすすめ|道後温泉(愛媛)pH9のアルカリ性
まずは単純温泉から。溶存物質量が規定値未満の優しい泉質で、刺激が少なく万人向け。温泉ソムリエ的には「最も入りやすい泉質」と言えるかなと思います。
愛媛・道後温泉の魅力|日本最古級・3000年の古湯
愛媛県松山市の道後温泉は、日本書紀にも登場する日本最古の温泉のひとつ。3000年以上の歴史を持つ古湯です。夏目漱石の『坊っちゃん』の舞台としても全国的に有名ですね。
道後温泉の泉質は「アルカリ性単純温泉」。pH9前後、源泉温度42〜51℃を混合して46℃で供給しているようです。温泉ソムリエ的に読み解くと、10泉質のうち「単純温泉」1要素とシンプルな組成ではあります。ただしpH9という高アルカリ性が湯ざわりの決め手で、皮膚表面の角質層のタンパク質を溶解する作用があり、入浴後のツルツル感が際立つ「美人の湯」のキャラクターです。
特に興味深いのは、道後温泉が火山活動由来ではない「非火山型温泉」であること。日本の温泉の多くは火山と関係しますが、道後は地下深部の地熱だけで湧出する珍しいタイプみたいです。
さらにそれゆえに、南海トラフ地震が起きると湧出が一時停止するという特異な性質も。日本書紀の白鳳地震(684年)、宝永地震、安政南海地震、1946年南海地震のすべてで、道後温泉の出湯停止が記録されているそうですね。
シンプルな単純温泉でありながら、3000年以上の歴史を持つ日本最古級の古湯。ぼくも、複合泉質で勝負する温泉地とは違う、独自の魅力を持つ温泉地として一度は訪れたいですね。
道後温泉(愛媛県松山市)
日本書紀にも登場する日本最古級の古湯。pH9のアルカリ性単純温泉で、湯上りのツルツル感が際立つ「美人の湯」。地下深部の地熱由来の非火山型温泉という温泉ソムリエ的にも珍しいタイプです。3000年以上の歴史を持つ道後温泉本館を中心に、松山の城下町文化も楽しめる温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →単純温泉の他候補|下呂温泉(岐阜)
単純温泉系でもう一つ注目したいのが、岐阜の下呂温泉。「日本三名泉」のひとつで、こちらもアルカリ性単純温泉です。下呂のお湯はとろーりとしたツルツル感が特徴で、「美人の湯」系としてこちらも全国に知られていますね。
一応補足で書いておくと、道後温泉と下呂温泉を続けて紹介したので「単純温泉」=「美人の湯」なのかと思った方もいるかもしれませんが、そうではありません。この2つがたまたま、ph値の高い「アルカリ性」だから美人の湯と呼ばれます。「単純温泉」という泉質の中にも種類はいろいろとあって、キャラクターは変わってきます。
② 塩化物泉のおすすめ|有馬温泉・金泉(兵庫)日本三古湯
塩化物泉は、塩化物イオンが陰イオンの主成分となるお湯です。塩分が皮膚にコーティングのように残って湯冷めしにくい「熱の湯」として知られます。日本の温泉地でも非常にメジャーな泉質で全国各地に多いですが、その中でも特別な存在が有馬温泉の金泉です。
有馬温泉・金泉の魅力|含鉄-Na-塩化物強塩泉
兵庫・神戸の有馬温泉は、日本書紀にも記録される日本三古湯・日本三名泉のひとつ。1300年以上の歴史を持つ名湯です。有馬温泉のお湯は大きく分けて金泉と銀泉の2系統に分かれ、塩化物泉として特徴的なのは赤茶色の「金泉」です。
金泉の泉質名は「含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉」。温泉ソムリエ的に10泉質に分解すると、「塩化物泉」+「含鉄泉」の複合で、しかも「強塩泉」という極めて濃い泉質です。泉源は天神泉・御所泉・極楽泉・妬泉・有明1/2号など、いずれも愛宕山北方の半径150m以内、地下200〜300mからボーリング掘削されたものだそう。温度は92〜99.7℃の高温泉。
空気に触れると鉄分が酸化して赤茶〜黄金色に変化する、有馬を象徴する湯。塩化物泉として圧倒的な保温効果と、含鉄泉として体に効く感覚を同時に味わえる、世界的にも珍しい温泉です。
有馬温泉(兵庫県神戸市)
日本三古湯・日本三名泉のひとつ。金泉は『含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉』という極めて濃い泉質で、空気に触れると赤茶色に変化する独特の湯。塩化物泉と含鉄泉の複合で、強塩泉レベルの濃さは世界的にも珍しい。神戸からアクセス良好で、6つの泉源を持つ多成分温泉として温泉ソムリエ的にも超贅沢な温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →塩化物泉の他の候補|城崎温泉(兵庫)・熱海温泉(静岡)
塩化物泉の代表温泉地としては、城崎温泉(兵庫・日本海側の風情ある外湯めぐりができる)、熱海温泉(静岡・徳川家康も愛した古湯)、白浜温泉(和歌山・日本三古湯の1つ)なども有名ですね。塩化物泉は日本各地に多いので、各地の特色を楽しめます。多分僕が一番入ってきたのも、回数としては塩化物泉が一番多いかなと思います。
③ 炭酸水素塩泉のおすすめ|嬉野温泉(佐賀)日本三大美肌の湯
炭酸水素塩泉は、重曹成分(炭酸水素ナトリウム)などが主成分のお湯。皮膚表面の皮脂や角質を乳化して洗い流すクレンジング作用があり、入浴後の肌のすべすべ感が際立つ「美人の湯」系。「美肌の湯」を目当てに温泉地を選ぶなら、まず炭酸水素塩泉を狙うのがおすすめです。(ただし、入浴後のすぐ保湿が重要!!)
嬉野温泉の魅力|日本三大美肌の湯
佐賀県嬉野市の嬉野温泉は、「日本三大美肌の湯」として知られる名湯。残り2つの三大美肌の湯は斐乃上温泉(島根)と喜連川温泉(栃木)です。
嬉野温泉の泉質は「ナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉」。源泉温度85〜95℃の高温泉で、「炭酸水素塩泉」+「塩化物泉」の複合泉質です。重曹成分が皮脂と角質を洗い流し、塩化物が膜のように皮膚を覆って保湿する、まさに「クレンジング+保湿」の2段構えの美肌設計が温泉でできてしまうという最高の湯。
歴史も古く、奈良時代の『肥前国風土記』(713年)に「東の辺に湯の泉ありて能く人の病を癒す」と記されているとのこと。江戸時代には長崎街道の宿場町として栄え、シーボルトも訪れた由緒ある温泉地だそう。湯上りの「とろーりすべすべ」と、特産の「温泉湯どうふ」などもセットで楽しめるみたいです。
嬉野温泉(佐賀県嬉野市)
『日本三大美肌の湯』として商標登録もされている佐賀の名湯。泉質はナトリウム-炭酸水素塩・塩化物泉で、重曹成分のクレンジング効果と塩化物の保湿効果のダブル設計。源泉温度85〜95℃の高温泉で、湯上りのとろーりすべすべ感が際立つ温泉地です。特産の温泉湯どうふもセットでぜひ。
楽天トラベルで宿を見てみる →炭酸水素塩泉の他の候補|龍神温泉(和歌山)・川中温泉(群馬)
炭酸水素塩泉系の美肌の湯としては、「日本三大美人の湯」とされる龍神温泉(和歌山)、川中温泉(群馬)、湯の川温泉(島根)なども有名です。各地の文化と組み合わせて選ぶのも楽しいですね〜。全部行きたい。。。
④ 硫酸塩泉のおすすめ|玉造温泉(島根)神の湯・美肌の湯
硫酸塩泉は、硫酸イオンなどが主成分のお湯。「傷の湯」「脳卒中の湯」とも呼ばれ、皮膚の弾力性強化や、動脈硬化予防に良いとされる泉質です。陽イオンとの組み合わせでさらに芒硝泉(Na)・石膏泉(Ca)・正苦味泉(Mg)に分類されますが、複数の陽イオンを併せ持つ複合型も多くあります。
玉造温泉の魅力|1300年前から「神の湯」
島根県松江市の玉造温泉(たまつくりおんせん)は、奈良時代の『出雲国風土記』(733年)にも記録される、約1300年の歴史を持つ古湯。出雲風土記には「一度入れば、肌美しく、二度入れば、病も治る」「故、俗人、神湯と曰うなり」と記されており、まさに「神の湯」として古代から愛されてきました。
玉造温泉の泉質は「ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉」。弱アルカリ性で、「硫酸塩泉」+「塩化物泉」の複合泉質。硫酸塩泉が肌に水分とハリを与え、塩化物泉が塩のヴェールで保湿、さらに弱アルカリ性が古い角質を取り除く、というトリプル設計の美肌の湯です。なんと贅沢な。
近年では、玉造温泉×サティス製薬の研究で「美肌に必要な3つの効果(潤い補給・キメ・肌色)」が科学的に分析されていて、化粧品原料としても開発されているみたいですね。まさに天然の化粧水とも言える温泉。古代から「神の湯」と呼ばれ続けてきた歴史的説得力と、現代科学による裏付けの両方を持つ、温泉ソムリエ的にも非常に興味深い名湯です。
玉造温泉(島根県松江市)
奈良時代『出雲国風土記』にも「神の湯」と記された約1300年の古湯。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物泉で、硫酸塩泉のハリ・潤い補給、塩化物泉の保湿、弱アルカリ性のクレンジングが三位一体の美肌の湯。出雲大社や松江城などの観光と組み合わせて楽しめる温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →硫酸塩泉の他の候補|法師温泉(群馬)・伊香保温泉(群馬)
硫酸塩泉の代表温泉地としては、法師温泉(群馬・国登録有形文化財の長寿館本館など)、伊香保温泉(群馬・草津と並ぶもう1つの有名温泉)、山中温泉(石川)などもあります。それぞれ独自の歴史と趣を持つ名湯です。
⑤ 二酸化炭素泉のおすすめ|長湯温泉(大分)世界屈指の炭酸泉
二酸化炭素泉は、お湯の中に遊離二酸化炭素が規定値以上溶け込んだ温泉です。炭酸ガスが毛細血管を拡張して血行を促進するため、ヨーロッパでは「心臓の湯」と呼ばれて温泉療法にも使われています。日本には天然の二酸化炭素泉は少なく、希少な泉質のひとつです。
長湯温泉の魅力|世界屈指の炭酸泉
大分県竹田市の長湯温泉は、「世界屈指の炭酸泉」「日本有数の炭酸泉」として知られる温泉地です。源泉によって泉質が違い、炭酸ガス濃度の高い二酸化炭素泉と、炭酸水素塩泉の両方が湧出しています。
特に有名なのが「ラムネ温泉館」。外湯(約32℃)は炭酸ガスが豊富な二酸化炭素泉で、入ると体中に細かい泡がびっしりとつくのが特徴です。内湯(約42℃)は炭酸水素塩泉。ぬるめの炭酸泉でゆっくり長湯することで、毛細血管が拡張して血流が改善し、体の芯から温まっていく感覚を体験できます。長湯温泉という地名そのものが「長く湯に入る」湯治文化に由来するとも言われているそうですね。
面白いことに、長湯温泉のある旧直入町は、炭酸泉で有名なドイツ・バートクロツィンゲン市と姉妹都市提携をしているそうです。ヨーロッパで「心臓の湯」として愛される炭酸泉文化と、日本の湯治文化が融合した、温泉ソムリエ的にも興味深い温泉地だと思います。
長湯温泉(大分県竹田市)
『世界屈指の炭酸泉』と称される日本有数の二酸化炭素泉。ラムネ温泉館のぬる湯では体中に細かい泡がびっしりとつく独特の感覚を味わえます。炭酸ガスが血行を促進する『心臓の湯』効果で、ヨーロッパの湯治文化とも通じる本格派。ドイツのバートクロツィンゲン市と姉妹都市提携している国際的な温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →⑥ 含鉄泉のおすすめ|黄金崎不老ふ死温泉(青森)日本海絶景の混浴露天
含鉄泉は、お湯に鉄イオンが規定値以上含まれる温泉です。湧出時は透明でも空気に触れると鉄分が酸化して赤茶色〜黄金色に変化するのが特徴です。鉄分は貧血改善に良いとされ、温泉としても独特の風合いが楽しめる泉質ですね。
黄金崎不老ふ死温泉の魅力|海岸と一体化した露天風呂
青森県深浦町の黄金崎不老ふ死温泉は、世界自然遺産・白神山地の麓、日本海に沈む夕陽を一望できる景勝地・黄金崎に建つ一軒宿です。海岸に面したひょうたん型の混浴露天風呂が全国的に知られています。
泉質は「含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉」。実はこれはすでに取り上げた、有馬温泉の金泉と全く同じ泉質構成なんです。「含鉄泉」+「塩化物泉」+強塩泉のトリプル要素複合で、源泉湧出時は透明、空気に触れると酸化して赤褐色になる赤茶色のお湯です。
不老ふ死温泉公式が「熱の湯」(塩化物泉のキャラクター、湯冷めしにくい)・「傷の湯」(殺菌作用)・「美肌の湯」(メタケイ酸・炭酸水素イオン豊富)と複数のキャッチで呼んでいるとおり、効能の多彩さも魅力。さらに、日本海の波打ち際で夕日を浴びながら浸かる海辺の露天風呂は、温泉ファンなら一度は訪れたい絶景体験です。
黄金崎不老ふ死温泉(青森県深浦町)
世界自然遺産・白神山地の麓、日本海の絶景を独占できる海辺の混浴露天風呂で有名な一軒宿。泉質は有馬金泉と同じ『含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉』で、空気に触れると赤褐色に変化する希少な赤茶色のお湯。日本の夕陽百選にも選ばれた絶景と本格的な含鉄泉の両方を楽しめる温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →⑦ 含よう素泉のおすすめ|強首温泉 (秋田)希少な含よう素泉
含よう素泉は、お湯によう化物イオンが規定値以上含まれる温泉で、2014年に環境省が新たに療養泉として認定した比較的新しい泉質です。日本国内でも代表温泉地が少なく、希少な存在と言えるでしょう。
強首温泉 樅峰苑(しょうほうえん)の魅力|大正ロマンの登録有形文化財の宿
秋田県大仙市の強首温泉 樅峰苑(しょうほうえん)は、含よう素泉を代表する温泉地のひとつ。建物は大正6年(1917年)完成の元豪農・小山田家の本邸だそうで、現在は国の登録有形文化財に指定されています。大正ロマンを感じる、日本秘湯を守る会の一軒宿です。
泉質は「含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉」。公式自ら「世界的にも珍しい泉質」と謳っているとおり、含よう素泉に塩化物泉と強塩泉が組み合わさった希少な複合泉質です。溶存物質量は1kg中22,240mgとかなり多く、有馬金泉に匹敵する濃厚な温泉です。湧出量も毎分240リットル以上と豊富で、源泉かけ流し。茶褐色に湯の花が舞うお湯は、塩分の効いた入りやすさが特徴です。
大正ロマン漂う木造建築の宿で、希少な含よう素泉を味わえる。これは温泉ソムリエ取得者として、温泉法10泉質の「制覇」を目指すなら必ず訪れたい場所だと、私も思います。ほんとに行きたい。
強首温泉 樅峰苑(秋田県大仙市)
大正6年完成・国の登録有形文化財に指定された豪農・小山田家本邸の一軒宿。泉質は『世界的にも珍しい含よう素-ナトリウム-塩化物強塩温泉』で、溶存物質量22.24g/kgの濃厚な源泉かけ流し。日本秘湯を守る会の宿として、希少な含よう素泉を体験できる温泉ソムリエ的にも貴重な温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →⑧ 硫黄泉のおすすめ|乳頭温泉(秋田)秘湯七湯・乳白色の湯
硫黄泉は、お湯に総硫黄が規定値以上含まれる温泉です。独特の硫黄臭(温泉らしいたまごみたいな香り)と乳白色のお湯が特徴で、多くの人が「温泉らしい温泉」とイメージするのがこの泉質ですね。湯ざわりはサッパリしていて、皮膚病・慢性湿疹などへの適応症があります。
乳頭温泉の魅力|秘湯七湯の湯めぐり
秋田の田沢湖近く、乳頭山の麓に点在する乳頭温泉郷。「鶴の湯」「妙乃湯」「黒湯」「孫六」「蟹場」「大釜」「休暇村」の7つの宿が「秘湯」感のある湯治場として愛されています。
乳頭温泉郷の特徴は、宿によって源泉が違い、泉質も微妙に異なること。例えば代表格の鶴の湯温泉には「白湯・黒湯・中の湯・滝の湯」と複数の源泉があり、それぞれ「子宝の湯」「眼っこの湯」などの呼び名で親しまれています。泉質を読み解くと、「塩化物泉+炭酸水素塩泉」を共通の土台にしながら、源泉によって硫黄成分が加わる3〜4泉質要素の複合温泉です。乳白色のにごり湯は、硫黄成分が空気に触れて析出することで生まれます。
湯めぐりが楽しめる「湯めぐり帖」(7軒の温泉に入れる)もあり、温泉ソムリエ取得者として、宿ごとの泉質の違いを比較しながら巡るのは贅沢な体験ができるでしょう。塩化物泉の温まり、炭酸水素塩泉のクレンジング、硫黄泉の本格温泉感を一度に味わえる、温泉ソムリエ的にもまさに「秘湯」の名にふさわしい温泉地ですね。
乳頭温泉郷(秋田県仙北市)
鶴の湯・妙乃湯・黒湯・孫六・蟹場・大釜・休暇村の7軒からなる秘湯の温泉郷。各宿の源泉が異なり、塩化物泉+炭酸水素塩泉+硫黄泉の複合泉質が楽しめます。乳白色のにごり湯は硫黄成分が空気に触れて析出する自然の現象。湯めぐり帖で複数の宿の湯を巡れる、温泉ソムリエ的にも学びの宝庫の温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →硫黄泉の他の候補|万座温泉(群馬)・登別温泉(北海道)
硫黄泉の代表温泉地としては、万座温泉(群馬・標高1,800mの硫黄泉)、登別温泉(北海道・地獄谷の硫黄泉)、箱根大涌谷温泉(神奈川)、蔵王温泉(山形・強酸性の硫黄泉)なども有名です。
⑨ 酸性泉のおすすめ|玉川温泉(秋田)日本一の強酸性pH1.05
酸性泉は、水素イオンを規定値以上含み、pH値の低い強酸性の温泉です。殺菌作用が非常に強く、皮膚病・慢性湿疹への適応症があると泉質です。刺激が強いので長湯は禁物ですが、湯治系の温泉文化と深く結びついた泉質ですね。
玉川温泉の魅力|日本一の強酸性・北投石の聖地
秋田県仙北市の玉川温泉は、八幡平の山麓に湧く、日本でも屈指の特殊な温泉です。湯治場として古くから知られ、温泉の世界でも「玉川温泉といえば北投石」「玉川温泉といえば強酸性」と語られる、ある種の「聖地」のような存在でもあります。
玉川温泉の源泉「大噴(おおぶき)」からは、毎分9,000リットルもの温泉水が98℃で噴出。pHは1.05〜1.2の超強酸性。これは草津温泉のpH2.1よりさらに強烈で、日本一の強酸性泉とされています。泉質名は「酸性-含二酸化炭素・鉄(Ⅱ)・アルミニウム-塩化物泉」。「酸性泉」+「塩化物泉」を主軸に、含二酸化炭素・含鉄の要素を伴う複合泉質。塩酸を主成分とするのは世界的にも珍しい特徴です。
もうひとつの特徴が、北投石(ほくとうせき)です。これは台湾の北投温泉と玉川温泉でしか産出しない希少な鉱石のことで、特別天然記念物に指定されています。微量のラジウムを含むことから、湯治・健康効果の文脈で語られることが多いですね。
玉川温泉は、いわゆる観光地化されていない湯治場の伝統を守り続けている貴重な温泉地でもあります。温泉ソムリエ取得者として一度は訪れて、日本一の強酸性泉を体験したい場所です。なお、強酸性のため長湯は厳禁、必ず入浴前後にかけ湯を念入りに行うのが鉄則です。体を慣らしながら入ることが大切です。
玉川温泉・新玉川温泉(秋田県仙北市)
pH1.05の日本一の強酸性泉。塩酸を主成分とし、ラジウムを微量含有する世界でも稀な泉質です。湯治場としての伝統を守り続け、観光地化されていない貴重な温泉地。八幡平の麓にある玉川温泉・新玉川温泉から宿泊プランを探せます。強酸性のため、入浴方法には注意が必要です。
楽天トラベルで宿を見てみる →酸性泉の他の候補|草津温泉(群馬)・蔵王温泉(山形)
酸性泉の代表温泉地としては、草津温泉(群馬・pH2.1)、蔵王温泉(山形・pH1.3-1.7)、須川温泉(秋田・pH2.2)、万座温泉(群馬・pH2-3)なども有名です。それぞれ強酸性ながら泉質の細かい違いがあって、比較が面白い温泉地群です。
⑩ 放射能泉のおすすめ|三朝温泉(鳥取)世界屈指のラドン泉
放射能泉は、温泉にラドン(ラジウムから分解されたガス)が規定値以上含まれる温泉。放射能?大丈夫なのと思う方もしるかもしれませんが、「万病の湯」とも呼ばれる、温泉ソムリエ的にも特別な泉質です。ラドンは呼吸で体内に取り込まれて全身を巡るとされ、ヨーロッパなどでも古くから湯治文化で愛されている泉質だそうです。
三朝温泉の魅力|世界屈指のラドン泉・浴飲吸の三段活用
鳥取県三朝町の三朝(みささ)温泉は、「世界屈指のラドン含有量を誇る放射能泉」として知られる名湯です。開湯850年以上の歴史があり、「三たび朝を迎えると元気になる」というのが温泉地名の由来とされています。
三朝温泉の最大の特徴は、ラドン含有量の高さ。一部の源泉では683.3マッヘもの記録があると公式が表記しています。注目すべきは、三朝温泉のラドンが浴・飲・吸の3つの方法で体内に取り込めること。つまり、飲泉もできます。皮膚から、飲泉で消化器から、呼吸で気化したラドンを肺から、と3方向からのアプローチができる「三段活用」の温泉地は世界的にも稀少です。行きたすぎる。
三朝温泉は、岡山大学の三朝医療センター(現:岡山大学病院三朝医療センター)が温泉医学・放射能泉の研究を長年行ってきた、医学的にも由緒ある温泉地だそうです。一度は体験したい場所だなと思います。
三朝温泉(鳥取県三朝町)
開湯850年以上の歴史を持つ『世界屈指のラドン含有量を誇る放射能泉』。一部源泉では683.3マッヘもの記録があり、浴・飲・吸の三段活用で楽しめる稀少な温泉地です。岡山大学三朝医療センターが温泉医学を研究してきた医学的にも由緒ある温泉地で、温泉ソムリエ的にも放射能泉の代表として外せない場所です。
楽天トラベルで宿を見てみる →放射能泉の他の候補|増富温泉(山梨)・有馬温泉・銀泉(兵庫)
放射能泉の代表温泉地としては、増富温泉(山梨・湯治場として有名)、有馬温泉・銀泉(兵庫・銀泉の一部が放射能泉)、村杉温泉(新潟)などもあります。日本国内では希少な泉質なので、これらの温泉地は貴重ですね。
番外編!日本トップクラスの「温泉のデパート」|多成分温泉の対比
ここまで10泉質それぞれの代表温泉地を紹介してきましたが、温泉ソムリエ大全としてもうひとつ伝えたいトピックがあります。
それは、複数の泉質を一つの温泉地で併せ持つ「多成分温泉」の存在です。今まであれこれと温泉地を挙げてきましたが、どこも良くて迷うようであれば「まずここに行くべし!」という本命候補でもあります。
いろんな泉質(もしくは成分)を持っていて「温泉のデパート」とも呼べるような温泉地なので、まずここにいけば湯めぐりを楽しめるはずです。温泉好きにはたまりません。
※注意点:ただし以下の対比は各温泉地の公式情報に基づきます。温泉地ごとに発表の基準が微妙に異なる可能性があり、「療養泉として独立認定された泉質の数」と「主成分として含まれる成分の数(規定値未満含む)」が混在している可能性があります。例えば、別府は「掲示用泉質」を基に表現、有馬は「主成分を含む」という表現。厳密な比較には、各源泉の温泉分析書を直接確認する必要がある点は、明記しておきます。この記事では、泉質上は例えば「単純温泉」などであっても、もし規定値に近い「成分」が含まれていればそれも考慮します。
温泉の10泉質のうち、複数の泉質を持つ温泉地は決して珍しくありませんが、それが7種類以上を持つ温泉地はごく限られています。日本でその「トップクラス」と呼べる4つの温泉エリアを、温泉ソムリエ視点で対比します。
| 泉質 (もしくは主成分を多く含む) | 有馬 | 別府 | 登別エリア | 黒川 |
|---|---|---|---|---|
| 単純温泉 | ◯ | ◯ | ◯(カルルス温泉含め) | ◯ |
| 二酸化炭素泉 | ◯ | × | × | × |
| 炭酸水素塩泉 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 塩化物泉 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 硫酸塩泉 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 含鉄泉 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
| 硫黄泉 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
| 酸性泉 | × | ◯ | ◯ | ◯ |
| 放射能泉 | ◯ | × | ◯ | × |
| 含よう素泉 | × | × | × | × |
| 合計 | 7種類 | 7種類 | 🏆 8種類 | 7種類 |
兵庫・有馬温泉(7種類)|風雅な多成分
兵庫の有馬温泉は、硫黄泉・酸性泉・含よう素泉の3つ以外の7種類を持つ多成分温泉です。金泉(含鉄-Na-塩化物強塩泉)と銀泉(二酸化炭素泉・放射能泉)の組み合わせが、二酸化炭素泉と放射能泉という稀少な泉質を担保していて、湯ざわりは比較的おだやか系ではありますが、温泉成分は超濃い温泉です。日本書紀の時代から愛される風雅な多成分温泉です。
大分・別府温泉(7種類)|火山由来の刺激系
別府温泉は、二酸化炭素泉・含よう素泉・放射能泉の3つ以外の7種類の泉質があります。有馬と同じ「7種類」ですが、含まれる泉質の組み合わせが対照的で、こちらは硫黄泉・酸性泉が入る火山由来の刺激系です。別府八湯(別府・浜脇・観海寺・堀田・明礬・鉄輪・柴石・亀川)それぞれが違うキャラクターを持ち、別府市内だけで湯めぐりができてしまう、ダイナミックな温泉地です。
北海道・登別エリア(8種類)|日本一の「温泉のデパート」
そして、日本トップクラスの多成分温泉が登別エリア。登別温泉郷(地獄谷)では明治時代から続く旧泉質名だと9種類の泉質(硫黄泉・食塩泉・明礬泉・芒硝泉・緑礬泉・鉄泉・酸性鉄泉・重曹泉・ラジウム泉)が湧出するとされ、温泉ソムリエの10泉質基準で整理し直すと7種類。さらに、北西8kmの登別カルルス温泉(単純温泉)を含めた登別エリア全体では、8種類になります。無いのは二酸化炭素泉と含よう素泉だけ。日本でこれほどの多成分を一つのエリアに持つ温泉地は他になく、まさに「温泉のデパート」の名にふさわしい場所です。
熊本・黒川温泉(7種類)|里山に凝縮した多成分温泉
そして黒川温泉(熊本)も、別府と同じ7種類を持つ多成分温泉です。九州中央部の火山活動由来という別府との共通点があり、含まれる7種類も完全に一致します。違いは規模感で、別府が日本一の源泉数・湧出量を誇る大温泉街であるのに対し、黒川は田の原川沿いに約30軒の旅館が点在する里山の秘湯です。秘境感が満載、雰囲気が全く異なります。「入湯手形」を買って湯めぐり比較できるのは貴重な体験です。
【迷ったらの結論:多泉質を体感できる温泉地へ】
有馬温泉(兵庫県神戸市)
日本三古湯・日本三名泉のひとつ。金泉は『含鉄-ナトリウム-塩化物強塩泉』という極めて濃い泉質で、空気に触れると赤茶色に変化する独特の湯。塩化物泉と含鉄泉の複合で、強塩泉レベルの濃さは世界的にも珍しい。神戸からアクセス良好で、6つの泉源を持つ多成分温泉として温泉ソムリエ的にも超贅沢な温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →登別温泉(北海道登別市)
日本トップクラスの多成分温泉。登別温泉郷では9種類の泉質(明治旧泉質名)、登別カルルス温泉を含むエリア全体では温泉ソムリエ10泉質中8種類が楽しめる『温泉のデパート』。地獄谷の景観と多彩な泉質の湯めぐりで、温泉ソムリエ取得者として一度は訪れたい温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →別府温泉(大分県別府市)
日本一の源泉数・湧出量を誇る大温泉街。別府八湯それぞれが違う泉質キャラクターを持ち、温泉ソムリエ10泉質中7種類が湧出します。地獄めぐり・大温泉街・別府八湯の多様性が楽しめる、温泉好きにとっての聖地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →黒川温泉(熊本県阿蘇郡)
田の原川沿いに約30軒の旅館が点在する里山の秘湯。温泉ソムリエ10泉質中7種類が小さなエリアに凝縮し、『入湯手形』(1枚1,500円で3つの旅館の露天風呂を巡れる)で1日に複数の泉質を比較体験できる、温泉ソムリエ的にも学びの宝庫の温泉地です。
楽天トラベルで宿を見てみる →温泉ソムリエ視点で見えてくる、泉質と温泉地の楽しみ方
10泉質それぞれのおすすめ温泉地と、多成分温泉の対比を見てきました。最後に、温泉を楽しむ時の視点をちょっとまとめておきます。
「自分の体調・好みに合う泉質」を選ぼう
まず大事なのは「自分の体調や好みに合う泉質を知る」ことです。
例えば、
- 湯冷めしやすい、冷え性→ 塩化物泉(熱の湯):有馬温泉、城崎温泉
- 美肌を求めたい→ 炭酸水素塩泉(美人の湯):嬉野温泉、龍神温泉
- 関節痛・神経痛→ 硫酸塩泉(傷の湯):玉造温泉、法師温泉
- 高血圧・動脈硬化対策→ 二酸化炭素泉(心臓の湯):長湯温泉
- 慢性皮膚病→ 硫黄泉・酸性泉:乳頭温泉、玉川温泉、草津温泉
- 全身の調子を整えたい→ 放射能泉(万病の湯):三朝温泉
ただし、あくまでも温泉は病院じゃないので、具合が悪いところは病院に行って治すのが基本ですよ。健康・予防・療養目的ならこんな感じで選ぶこともできますよという目安です。
「同じ泉質でも温泉地によって個性が違う」を楽しむ
もう一つ、僕は面白いのは「同じ泉質でも温泉地によって個性が大きく違う」ことです。
例えば、
塩化物泉でも、有馬金泉(強塩泉)と熱海温泉(普通の塩化物泉)では、塩分の濃度や鉄分の有無(有馬は含鉄泉でもある)で全く違う体験になります。
硫黄泉でも、乳頭温泉(複合系)と万座温泉(硫黄主体)では性格も、色も、湯ざわりなども違います。
温泉ソムリエの勉強をしてから、「同じ泉質の温泉地を巡って違いを比較する」という楽しみ方を覚えましたし、これからどんどん行きたいなと思っています。温泉旅行の解像度が上がるという、温泉好きならではの楽しみ方だと思います。
「10泉質制覇」を目指す
そして、個人的にも目指したいのが、温泉10泉質の制覇。すべての泉質を一度は体験してみることで、温泉の世界がより立体的に見えてくるかなと思います。
特に希少な含よう素泉(強首温泉樅峰苑)や放射能泉(三朝温泉)、二酸化炭素泉(長湯温泉)などは、意識して訪れないと体験しづらい泉質です。
逆に登別エリアのような「温泉のデパート」なら、一つのエリアでほとんどの泉質を体験できるので、効率的に制覇を目指すこともできますよね。
よくある質問(FAQ)
温泉の10泉質とは何ですか?
2014年に環境省が制定した、療養泉として認められた10種類の泉質分類です。単純温泉・塩化物泉・炭酸水素塩泉・硫酸塩泉・二酸化炭素泉・含鉄泉・含よう素泉・硫黄泉・酸性泉・放射能泉の10種類で、温泉ソムリエの認定講座でも基礎として学ぶ重要な分類です。ただ、昔の呼び名で書いてある所も多くややこしい部分があります。
「美肌の湯」「美人の湯」と呼ばれる泉質はどれですか?
主に炭酸水素塩泉(クレンジング作用)、硫酸塩泉(肌のハリ・潤い)、アルカリ性単純温泉(角質溶解作用)の3つが「美肌系」とされます。複数組み合わさった温泉地(嬉野温泉・玉造温泉など)は特に美肌効果が期待できる、と一般的に語られます。
日本で一番強い酸性泉はどこですか?
秋田県の玉川温泉(pH1.05〜1.2)が、日本一の強酸性泉として知られています。続いて蔵王温泉(pH1.3-1.7)、須川温泉(pH2.2)、草津温泉(pH2.1)、万座温泉(pH2-3)などが続きます。いずれも強酸性なので、入浴の際は注意が必要です。
温泉地で一番多くの泉質を楽しめるのはどこですか?
北海道の登別エリア(登別温泉郷+登別カルルス温泉)が、温泉ソムリエの10泉質基準で8種類を持つ、日本トップクラスの多成分温泉エリアと言えるかなと思います。続いて有馬温泉(兵庫)・別府温泉(大分)・黒川温泉(熊本)などが10泉質中7種類の泉質(もしくは成分)を持ちます。
含よう素泉とはどんな泉質ですか?
含よう素泉は2014年に環境省が新たに療養泉として認定した、比較的新しい分類の泉質です。お湯1kgによう化物イオンが10mg以上含まれる温泉のことを指します。日本国内でも代表温泉地が少なく、希少な泉質。秋田県の強首温泉 樅峰苑などが代表例で、公式ページにも「世界的にも珍しい泉質」と紹介されていますね。
温泉の効能はどこで確認できますか?
温泉施設の脱衣場や入口に必ず掲示されている「温泉分析書」または「温泉成分掲示」を確認すると、その温泉の泉質・成分・適応症が分かります。(脱衣所での写真はマナー違反なのでご注意を!!)温泉ソムリエの認定講座では、この温泉分析書の読み方が学べます。またホームページなどでも公開している所も多いです。
まとめ|泉質別おすすめの温泉地10選
温泉法10泉質それぞれにおすすめの温泉地と、多成分温泉トップクラス4エリアの対比を紹介してきました。最後にまとめます。
| 泉質 | メイン温泉地 | キーフレーズ |
|---|---|---|
| 単純温泉 | 道後温泉(愛媛) | 3000年の古湯・非火山型 |
| 塩化物泉 | 有馬温泉・金泉(兵庫) | 日本三古湯・含鉄強塩泉 |
| 炭酸水素塩泉 | 嬉野温泉(佐賀) | 日本三大美肌の湯 |
| 硫酸塩泉 | 玉造温泉(島根) | 1300年の神の湯 |
| 二酸化炭素泉 | 長湯温泉(大分) | 世界屈指の炭酸泉 |
| 含鉄泉 | 黄金崎不老ふ死温泉(青森) | 日本海絶景の混浴露天 |
| 含よう素泉 | 強首温泉樅峰苑(秋田) | 世界的にも珍しい泉質 |
| 硫黄泉 | 乳頭温泉(秋田) | 秘湯七湯・乳白色 |
| 酸性泉 | 玉川温泉(秋田) | 日本一の強酸性pH1.05 |
| 放射能泉 | 三朝温泉(鳥取) | 世界屈指のラドン泉 |
そして、複数泉質を持つ多成分温泉のトップは:
- 🏆 登別エリア(北海道):10泉質中8種類・日本一の温泉のデパート
- 有馬温泉(兵庫):10泉質中7種類・風雅な多成分
- 別府温泉(大分):10泉質中7種類・火山由来の刺激系
- 黒川温泉(熊本):10泉質中7種類・里山に凝縮
温泉ソムリエ取得者として、これらの温泉地はぜひ一度は訪れて、泉質の違いを体感していただきたい場所ばかりです。
温泉旅は、知識があると楽しみ方の幅が一気に広がります。皆さんの次の温泉旅の参考になれば嬉しいです。
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